股関節脱臼の経験がある方が新しい痛みを感じた時に確認したいこと
以前に股関節を脱臼した経験があると、50代になって股関節まわりが痛んだ時に「昔のケガが関係しているのでは」と心配になることがあります。
歩けているから大丈夫なのか。それとも早めに確認した方がいいのか。判断に迷うところです。
過去の脱臼だけで現在の股関節痛の原因を決めることはできません。一方で、脱臼歴がある方の新しい痛みを「身体が硬いだけ」と自己判断し、強いストレッチなどで様子を見るのも避けたいところです。
まずは、痛む場所と動作、痛みの出方が以前とどう違うのかを整理してみましょう。
昔の脱臼と今の痛みをすぐ結びつけないことが大切です
股関節は骨盤と太ももの骨が組み合わさり、歩く、立つ、しゃがむなど多くの動作に関わる関節です。
以前に脱臼したことがあると、少し違和感が出ただけでも「また関節がおかしくなっているのでは」と不安になるかもしれません。
しかし、現在の痛みには股関節そのものだけでなく、腰、お尻、太ももまわりなど複数の部位が関わることがあります。
過去のケガは大切な情報ですが、それだけで現在の状態を決める材料にはなりません。
「昔脱臼したから仕方ない」と我慢するのでも、「また脱臼する」と決めつけるのでもなく、今の身体を改めて確認することが必要です。
痛む場所を「股関節」でまとめないようにしましょう
股関節が痛いと言っても、人によって指している場所が違います。
脚の付け根の前側が気になる。
外側を押すと痛い。
お尻に近い場所が重い。
太ももの方まで違和感がある。
この違いは、相談する時にも大切な情報になります。
さらに、
歩き始めで痛いのか。
長く歩いた後なのか。
階段なのか。
車から降りる時なのか。
という動作まで組み合わせて考えてみてください。
単に「股関節が痛い」と記録するより、「車から右脚を出す時に脚の付け根が気になる」のように整理すると、身体の状態を確認しやすくなります。
50代では日常動作の変化にも気づいておきたいところです
痛みが強くなくても、以前と動き方が変わっていることがあります。
靴下をはく時に脚を上げにくい。
低い椅子から立つ時に手を使う。
階段で片側の脚ばかり頼る。
歩幅が少し小さくなった。
車へ乗る時に身体ごと向きを変えるようになった。
このような変化は、本人にとっては「年齢のせい」に見えることがあります。
しかし、片側の股関節をかばう状態が続けば、腰や反対側の脚まで使い方が変わることがあります。
痛みの強さだけでなく、「できなくなった動作が増えていないか」を見ることも大切です。
過去に脱臼しているなら強く伸ばして確認しないでください
股関節に違和感があると、開脚したり脚を大きく回したりして「まだ動くか」を確かめたくなる方がいます。
過去に脱臼した経験があり、現在痛みが出ているなら、自己判断で可動域の限界まで動かすことはおすすめできません。
深くしゃがむ。
脚を大きく外へ開く。
強くひねる。
反動をつけてストレッチする。
こうした方法で状態を確認する必要はありません。
セルフケアをするなら、痛みのない範囲で普段通り歩けるか、椅子から立てるかなど、日常動作を観察する程度にとどめてください。
早めに医療機関で確認した方がよい股関節痛もあります
股関節痛の中には、整骨院で身体の使い方を見る前に医療機関で確認した方がよい場合があります。
特に、転倒や事故など明確なきっかけの後から強く痛む、脚に体重をかけられない、股関節が明らかに動かしにくい、見た目に左右差があるといった場合は、早めの受診を考えてください。
安静にしていても強く痛む、夜間も痛みが続く、発熱など体調の変化を伴う場合も同様です。
過去に脱臼した経験がある方では、「前にも痛めた場所だから」と自己判断せず、必要に応じて整形外科などで現在の関節の状態を確認することが大切です。
痛みが落ち着いていてもかばう歩き方は残ることがあります
医療機関で大きな問題がないことを確認できても、股関節をかばう身体の使い方が残っていることがあります。
片脚へ体重を乗せる時間が短い。
反対側へ身体を傾けて歩く。
股関節を動かさず腰から方向を変える。
このような動きが続けば、股関節だけでなく腰や膝が疲れやすくなる場合があります。
整骨院元菊陽町光の森院では、股関節周辺の痛みについて、股関節だけを見るのではなく、歩行時の左右差、骨盤や腰の動き、立ち上がりや階段での脚の使い方なども確認します。
脱臼歴がある場合はその経過も伺い、整骨院で対応できる身体の負担なのか、医療機関での確認を優先した方がよい状態なのかを分けて考えます。
痛みを我慢するより「前と何が違うか」を確認しましょう
50代になって股関節が気になり始めると、年齢や昔の脱臼だけを理由にしてしまうことがあります。
しかし、確認したいのは過去ではなく今の変化です。
歩ける距離が短くなっていないか。
車の乗り降りで脚を動かしにくくなっていないか。
靴下をはく姿勢が変わっていないか。
片側をかばう時間が増えていないか。
股関節の痛みを必要以上に怖がる必要はありませんが、脱臼した経験がある方ほど無理に動かして確かめるより、現在の症状と動作を一度整理することが大切です。
「まだ我慢できるか」ではなく、「以前と比べて何が変わったか」を基準に、相談するタイミングを考えてみてください。























