料理や洗濯で腕が疲れる日は肩こりだけでなく手首と肘にも注目
一日の家事が終わった頃、肩よりも腕の方が重い。
包丁を使った後は前腕が張り、洗濯物を干した後は肘から上がだるく感じる。
50代になると「肩こりなのかな」と考えやすいですが、料理や洗濯では手首、前腕、肘、肩が連続して働いています。腕の疲れが目立つ日は、肩だけをほぐすより、どの家事で手や肘を使い続けているのかを見ることが大切です。
特別に重い物を持っていなくても、小さな作業が朝から何度も積み重なることで腕が疲れることがあります。
朝の洗濯では濡れた衣類を扱う時間が続きます
洗濯は、腕を使う動作が意外と多い家事です。
洗濯機の中から衣類を取り出す。
絡まった衣類を分ける。
ハンガーへ通す。
物干し竿まで持ち上げる。
洗濯ばさみを何度もつまむ。
乾いた衣類より、濡れた衣類には重さがあります。しかも、一度持ち上げて終わりではなく、何枚も続けて同じ作業を行います。
ここで疲れやすいのが、手首から肘にかけての前腕です。
洗濯ばさみをつまむ時や衣類を握る時には、指を動かす筋肉も使われています。その筋肉の多くは前腕につながっているため、「肩はそれほどつらくないのに腕がパンパンになる」ということがあります。
洗濯物を干す高さでも使う場所が変わります
物干し竿が高いと、腕を上げた状態で作業する時間が長くなります。
腕を高く保つには肩まわりも働きますが、ハンガーを持つ、衣類を整える、洗濯ばさみを操作するといった手元の作業も同時に行っています。
反対に、低い場所で洗濯物を取り出してから高い位置へ干す場合は、身体をかがめる動作と腕を上げる動作を何度も繰り返します。
腕だけを上げようとすると肩がすくみやすくなり、首肩まで疲れることがあります。
干している途中で肩が耳へ近づいてきたら、一度腕を下ろしてみましょう。最後まで一気に終わらせるより、途中で腕を休ませる方が負担をためにくくなります。
昼や夕方の料理では手首の向きを何度も変えています
料理中は、大きな動きより細かな動きが続きます。
包丁を握る。
食材を押さえる。
フライパンを持つ。
菜箸で混ぜる。
鍋のふたを開ける。
食器を持って移動する。
この時、手首はまっすぐなままではありません。少し曲げたり、ひねったりしながら道具を操作しています。
さらに、利き手ばかりを使う作業も多いため、左右で疲れ方が違うことがあります。
右腕だけ重いから肩の高さが違うのでは、と気になる方もいますが、実際には包丁やフライパンなどを扱う時間の差が影響している場合もあります。
身体の左右差を見る時には、姿勢だけでなく「どちらの手で何をしているか」も確認すると分かりやすくなります。
フライパンが重く感じる日は握る力にも注目しましょう
同じフライパンなのに、夕方になるといつもより重く感じることがあります。
これはフライパンそのものの重さが変わったのではなく、それまでの家事で手や前腕が疲れている可能性があります。
特に、柄を強く握ったまま料理すると前腕へ力が入り続けます。そこへ食材の重さが加わると、手首から肘まで疲れやすくなります。
炒め物をする時も、フライパンをずっと持ち上げておく必要はありません。コンロへ置ける時は置き、混ぜる作業と持ち上げる作業を分けるだけでも腕を休める時間ができます。
家事では「正しい姿勢を保つ」ことより、同じ場所を働かせ続けない工夫が役立つことがあります。
台所の高さが合わないと腕で支えやすくなります
料理をしている時の腕の疲れは、台所の高さにも影響されます。
作業台が高く感じると、肩を少し上げた状態で包丁を使いやすくなります。反対に低すぎると、身体を前へ倒して手元をのぞき込む姿勢になりがちです。
どちらも長く続けば、腕だけでなく首、肩、背中まで疲れやすくなります。
台所そのものの高さを変えるのは難しいですが、まな板の厚さや立つ位置は調整できます。
包丁を使う時に肩が上がっていないか。
肘が身体から大きく離れていないか。
顔を手元へ近づけすぎていないか。
料理を始めた直後ではなく、10分ほど経った時の姿勢を一度見てみると、自分のクセに気づきやすくなります。
家事の終盤に腕が疲れるのは一つの動作だけが原因とは限りません
朝は洗濯。
昼は片づけ。
夕方は買い物や料理。
食後には食器洗い。
一つひとつの作業は短くても、腕にとっては休憩の少ない一日になることがあります。
そのため、「何をした瞬間に疲れたか」だけでは分からない場合があります。
夕食を作る頃に腕が重いなら、料理だけではなく、そこまでに行った家事を振り返ってみてください。
50代になると以前と同じ家事量でも疲れを感じることがありますが、年齢だけで考える必要はありません。作業の順番や休ませ方、手首や肘の使い方を変えることで負担を分けられることもあります。
腕が重い日は肘を支えて力を抜いてみましょう
家事の合間にできるセルフケアとして、今回は腕を伸ばすのではなく「支える」方法を試してみましょう。
椅子に座り、テーブルへ前腕全体を置きます。肘から手首までを預け、肩の力を抜きます。
そのまま手のひらをゆっくり上へ向け、次に下へ向けます。大きくひねる必要はありません。痛みのない範囲で左右3〜5回ほど動かします。
ポイントは、肘を浮かせないことです。
腕の重さをテーブルへ預けた状態で手首と前腕を小さく動かすと、自分が普段どれくらい力を入れているかにも気づきやすくなります。
強いストレッチ感を求める必要はありません。
肩ではなく腕から始まっている不調も確認します
整骨院元菊陽町光の森院では、家事の後に腕や肩が疲れる方に対して、肩だけを見るとは限りません。
どの位置で疲れるのか、手首や肘を動かした時はどうか、腕を上げた時に肩甲骨が動いているかなどを確認します。料理や洗濯など、繰り返す家事の中で負担が集まっている動作も身体を見る手がかりになります。
腕や手にしびれがある、物を落とすほど力が入りにくい、急に強く痛み始めた、安静にしていても症状が続く場合は、セルフケアだけで判断せず医療機関への相談も考えてください。
家事の疲れは夕方だけを見ると分かりにくいものです
夕方に腕が重くなると、その直前にしていた料理が原因のように感じます。
けれど、朝の洗濯から手や腕を使い続けていたと考えると、見え方は変わります。
洗濯ばさみをつまむ。
濡れた衣類を持ち上げる。
包丁を握る。
鍋を持つ。
食器を洗う。
家事では、このような小さな動きが一日の中で何度も繰り返されます。
肩より腕が疲れる日は、肩を揉む前に手首や肘まで含めて一日の使い方を振り返ってみてください。「どこがつらいか」だけでなく、「その場所を何に使い続けていたか」が分かると、毎日の家事で身体を休ませるポイントも見つけやすくなります。























