肩甲骨を寄せても肩こりが楽にならない時は背中の力みを減らそう
肩こり対策として、「胸を張って肩甲骨を寄せるようにしている」という方は少なくありません。
パソコンに向かっている時も、姿勢が崩れたと思うたびに肩を後ろへ引く。それでも夕方になると肩甲骨の内側が張り、むしろ背中まで疲れている。
そんな場合は、肩甲骨を寄せる回数を増やすより、同じ位置で固め続けていないかを見てみましょう。
肩甲骨は、寄せるだけでなく離れる、上がる、下がる、腕の動きに合わせて向きを変える骨です。肩こり対策でも「正しい位置へ固定する」より、必要に応じて動けることを考える方が大切です。
肩甲骨はずっと寄せておく骨ではありません
肩甲骨は背中にありますが、背骨へ直接固定されているわけではありません。
腕を前へ伸ばすと肩甲骨同士は離れ、腕を後ろへ引けば近づきます。腕を上げる時にも肩甲骨は動きます。
つまり、日常生活では寄ったり離れたりしながら働いています。
それなのに「良い姿勢を保とう」と一日中肩甲骨を寄せていると、背中の筋肉も同じ仕事を続けることになります。
最初は姿勢が良くなったように感じても、数十分すると肩甲骨の内側が重い、首まで力が入るという方もいます。
肩甲骨を寄せること自体が悪いわけではありません。
問題になるのは、寄せた位置を休まず保とうとすることです。
デスクワークでは肩甲骨が離れる動きも自然です
キーボードへ手を置く。マウスを動かす。スマートフォンを持つ。
こうした動作では、腕が身体より前にあります。
腕が前へ動けば、肩甲骨もある程度外側へ動くのが自然です。
ところが「肩が前へ出ないように」と肩甲骨を強く寄せたまま腕だけ前へ伸ばすと、背中へ力を入れた状態で作業を続けることになります。
仕事中に肩こりが気になる方は、一度自分の座り方を思い出してみてください。
背中をまっすぐにしようと頑張りすぎていないか。
肩をずっと後ろへ引いていないか。
肘が身体から遠いのに肩甲骨だけ寄せていないか。
姿勢を良くしようとする意識が、別の力みにつながることもあります。
肩甲骨の内側が張るなら「もっと寄せる」は一度やめてみましょう
肩こりというと、首から肩の上側がつらいイメージがあります。
しかし肩甲骨を寄せることを繰り返している方では、背骨と肩甲骨の間が重い、肩甲骨の内側がズーンと疲れるということもあります。
この場所が気になるからと、さらに肩甲骨を寄せる運動を増やすと、同じ部分を何度も使うことになります。
そんな時は「動かす=さらに寄せる」ではなく、いったん背中の力を抜く方向も考えてみてください。
身体は一方向へだけ動かすより、反対方向へも自然に動ける方が日常動作に対応しやすくなります。
胸を張る時に腰まで反っていないかも見てください
肩甲骨を寄せようとすると、肩だけではなく胸を大きく前へ出す方がいます。
すると背中が反り、さらに腰まで反っている場合があります。
鏡では背すじが伸びて見えるため、「良い姿勢ができている」と感じるかもしれません。
しかし、首、背中、腰へ力を入れて作った姿勢は長時間保つほど疲れやすくなります。
姿勢を整える目的は、一つの形を崩さず維持することではありません。
仕事なら画面を見る。
電話を取る。
資料へ手を伸ばす。
立ち上がる。
こうした動作へ無理なく移れる位置で座れているかを考えてみましょう。
肩甲骨を離す動きを使ったセルフケア
肩甲骨の内側が張りやすい方は、寄せる運動とは反対の動きを試してみましょう。
椅子へ浅めに座ります。
両手を身体の前で組み、肩の高さより少し低い位置へ出します。
そこから手を前へ押し出すようにしながら、背中を軽く丸めます。
肩甲骨の間がゆっくり広がる程度で止め、2〜3秒ほどしたら元へ戻ります。
3〜5回程度で十分です。
強く背中を丸めたり、あごを胸へ押しつけたりする必要はありません。
終わった後は肩を後ろへ引いて「正しい位置へ戻そう」とせず、そのまま自然に腕を下ろしてください。
痛みが強くなる場合は中止します。
仕事中は肩甲骨の位置より肘の場所を変える方が簡単です
デスクワーク中に肩こりが気になる場合、肩甲骨の位置を一日中意識するのは現実的ではありません。
そこで確認しやすいのが肘の位置です。
キーボードやマウスが遠く、肘を前へ伸ばした状態が続いていないか見てみましょう。
使う物を少し手前へ置き、肘を身体へ近づけられるだけでも、肩を後ろへ引っ張り続ける必要が減ります。
姿勢を直すために身体を頑張らせるのではなく、道具の位置を身体へ合わせる考え方です。
肩こりを肩甲骨だけで説明しないことも大切です
肩甲骨を寄せても楽にならないからといって、「肩甲骨がもっと硬いのだろう」と考える必要はありません。
首の動き、腕を使う時間、仕事中の姿勢、睡眠、疲労など、肩のつらさには複数の要素が関わります。
特に、
腕を上げると強く痛む
以前より動かせる範囲が狭くなった
夜も肩の痛みで目が覚める
腕にしびれや力の入りにくさがある
といった場合は、肩甲骨を寄せるセルフケアだけで対応しようとせず、身体の状態を確認した方がよいでしょう。
急な強い痛みや外傷後の症状などでは、医療機関への相談も検討してください。
光の森院では「寄っているか」より動いた時の変化を見ます
整骨院元菊陽町光の森院では、肩こりが気になる方について、肩甲骨が内側にあるか外側にあるかだけで身体を判断しません。
腕を前へ出した時、上げた時、座った状態から動いた時に、肩甲骨や背中がどう動くのかを確認します。
肩甲骨を寄せると楽になるのか、逆に力が入りやすくなるのかも、その方の身体を考える材料になります。
セルフケアを続けているのに肩こりが変わらず、「何をすればよいのか分からなくなってきた」という段階でも相談できます。
良い姿勢は肩甲骨を固定することではありません
肩甲骨を寄せると、確かに胸を張った姿勢には見えます。
しかし私たちは一日中同じ姿勢で生活しているわけではありません。
腕を前へ出す時には肩甲骨も離れ、上へ伸ばす時にはまた違った動きをします。
だからこそ、肩こり対策で目指したいのは「肩甲骨を常に寄せておく身体」ではありません。
寄せることもできる。
離すこともできる。
そして必要がない時には力を抜ける。
肩甲骨を寄せても肩こりが楽にならない日は、さらに頑張って寄せるのではなく、背中を固定し続けていなかったかを一度振り返ってみてください。























