重い荷物だけではない配達中のぎっくり腰で見直したい一日の動き
「重い荷物を持ち上げた瞬間、腰に強い痛みが出た」
ぎっくり腰というと、このような場面を思い浮かべる方が多いと思います。
しかし、配達業のように毎日荷物を扱う仕事では、その1回の持ち上げ動作だけを見ても身体への負担は分かりません。
運転席から何度も乗り降りする。荷台で身体の向きを変える。低い場所へ荷物を置く。次の配達先まで座って運転する。こうした動作が一日の中で積み重なり、ある動きをきっかけに急な腰痛として現れることがあります。
仕事上、重い荷物を持たないという選択が難しい方こそ、「持つこと」以外の時間も含めて腰の使い方を考えてみましょう。
最初の荷物より午後の荷物で腰が気になることがあります
朝一番に荷物を持った時は何ともなかったのに、午後になって腰が重くなる。
その後、それほど重くない段ボールを持った瞬間に腰が気になった。
配達の仕事では、このような流れも考えられます。
身体への負担は、荷物1個の重さだけで決まるわけではありません。
午前中から繰り返してきた持ち上げ動作や車の乗り降り、運転姿勢によって腰や股関節まわりが疲れていると、午後には朝と同じ動作でも身体の使い方が変わる場合があります。
そのため、「最後に持った荷物だけが悪かった」とは限りません。
何個目だったかより、その時までに身体をどう使い続けていたかを見ることも大切です。
配達では荷物を持っていない時間にも腰を使っています
配達員の身体は、荷物を運んでいる時だけ働いているわけではありません。
配達先へ到着する。
シートベルトを外す。
運転席から降りる。
荷台へ移動する。
荷物を探す。
持って届ける。
再び車へ乗り込む。
これを一日に何度も繰り返します。
特に車から降りる時、片脚だけ先に外へ出し、上半身をひねりながら立ち上がる癖があると、腰にも回旋する動きが加わります。
1回なら気にならなくても、何十回と繰り返せば疲れ方は変わってきます。
ぎっくり腰が気になる方は、荷物の持ち方だけでなく「車からどう降りているか」も一度確認してみてください。
荷台では狭さによって身体の向きが決まります
荷台では、いつも理想的な姿勢で荷物を持てるとは限りません。
荷物と荷物の隙間へ手を伸ばす。
中腰のまま奥の箱を引き寄せる。
足の位置を変えずに身体だけをひねる。
こうした配達特有の動作があります。
特に注意したいのが、足は前を向いたまま、荷物だけ横へ移す動きです。
荷物を持っている状態で向きを変える時は、腰だけを回すより、足を小さく動かして身体ごと方向を変えた方が負担を分けやすくなります。
毎回完璧に行う必要はありません。
「持ち上げた後、どちらへ運ぶのか」を先に決めておくだけでも、持ったまま急に身体をひねる場面を減らせます。
持ち上げる時より置く時に雑になっていませんか
重い荷物を持つ時は、腰を痛めないよう慎重になる方が多いです。
ところが、届け先へ到着すると「あと少し」と気が緩み、置く動作が速くなることがあります。
玄関の低い場所へ置く。
台車から床へ下ろす。
相手の指定した場所へ身体を伸ばして置く。
荷物を下ろす時も、身体は重さを支えながら動いています。
最後だけ腕を伸ばして荷物を遠くへ置こうとすると、上半身が前へ引かれやすくなります。
持ち上げる時と同じように、置く場所へ自分の足を近づけてから下ろす意識を持ってみましょう。
配達では「持つ瞬間」だけでなく「手を離す直前」までが一つの作業です。
運転中は腰を動かさない時間が続きます
配達では、身体をよく動かす時間と、ほとんど動かない時間が交互にやってきます。
荷物を運んだ直後に運転席へ座り、次の配達先まで同じ姿勢で移動する。
そして到着すると、すぐに立ってまた荷物を扱います。
この切り替えも配達業ならではです。
座っている間は股関節や腰まわりの動きが小さくなります。その状態から急いで降り、そのまま荷物を持つと、身体が十分に動かないまま作業へ入ることがあります。
時間に追われている時ほど、運転席から飛び出すように降りないことが大切です。
両足を車外へ向けてから立つなど、腰だけをひねらない降り方を試してみてください。
荷物を持つ前に「空の動作」を1回入れてみましょう
配達の途中で長いストレッチをするのは現実的ではありません。
そこで、荷物を持つ前に身体の動きを確認する方法があります。
何も持たずに立ち、足を腰幅程度にします。膝と股関節を軽く曲げ、お尻を少し後ろへ引いてから戻ります。
深くしゃがむ必要はありません。
2〜3回、小さく行うだけで十分です。
この時に、
腰だけが丸まっていないか。
片脚ばかりへ体重を乗せていないか。
膝と股関節も一緒に動いているか。
を確認します。
腰を伸ばすための体操ではなく、これから荷物を扱う前に「脚と股関節も使えるか」を確かめる準備動作です。
痛みが出る時は行わないでください。
重い荷物を避けられないなら動作の回数と順番を見ます
配達業の方に「重い物を持たないでください」と言っても、仕事にならないことがあります。
だからこそ、現実的には別の部分を調整します。
荷物を持ったまま方向転換していないか。
車から降りてすぐ持ち上げていないか。
遠い位置へ腕を伸ばして置いていないか。
疲れてくる午後に動作が速くなっていないか。
重さそのものを変えられなくても、その前後の動作は変えられることがあります。
ぎっくり腰を経験した後は「重い物が怖い」と感じやすくなりますが、必要以上に腰を固めたまま働くと、別の場所まで疲れやすくなります。
怖さを我慢して動くのではなく、負担が集まりやすい場面を一つずつ減らしていく考え方が大切です。
急な腰痛が出た時は無理に仕事を続けないでください
ぎっくり腰という言葉は、急に起こる強い腰痛を表す時によく使われますが、状態は人によって異なります。
強い痛みが出た直後に、無理に腰を伸ばしたり、何度も前屈して状態を確認したりすることは避けましょう。
足のしびれや力の入りにくさが強い、歩くことが難しい、排尿や排便に異常がある、転倒や事故の後から強く痛む場合などは、医療機関への相談を優先してください。
整骨院元菊陽町光の森院では配達中の動作まで確認します
整骨院元菊陽町光の森院では、急な腰痛や繰り返す腰の不調について、腰だけでなく股関節や脚の動き、身体の向きを変える時の使い方なども確認します。
配達業の方であれば、持ち上げる瞬間だけでなく、運転、乗り降り、荷台での方向転換、荷物を置く動作まで仕事の流れに合わせて身体を見ていきます。
ぎっくり腰を考える時は痛くなった数秒前だけを見ないこと
荷物を持った瞬間に腰が痛くなると、その箱だけが原因だったように感じます。
しかし、配達の一日を振り返ると、その前には何度もの乗り降り、運転、持ち上げ、方向転換、荷下ろしがあります。
重い荷物を扱うことを避けられない仕事だからこそ、最後の一動作だけを見るのではなく、一日のどこで身体の使い方が変わっているのかを探してみてください。
朝は問題ないのに午後になると腰が重い。
荷物を持つ時より車から降りる時が気になる。
置く瞬間だけ腰へ力が入る。
こうした違いが分かれば、仕事そのものを諦めなくても見直せる場所が見つかります。
次の配達で荷物を持つ前に、痛かった瞬間ではなく、その前の動きから一度振り返ってみましょう。























