産後に骨盤ベルトは必要?どんな物を選べばいいの?
出産を終えた女性の体は、大きな変化を経験しています。特に「骨盤」に関しては、多くの方が産後のグラつきや違和感を感じやすく、不安を覚えることも少なくありません。
その中でよく耳にするのが「産後の骨盤ベルト」。けれども、「本当に必要なのか?」「どれを選べばいいのか分からない」と悩まれる方も多くいらっしゃいます。
今回は、10年以上にわたり15000人以上の方の身体のケアを担当してきた柔道整復師の視点から、産後の骨盤ベルトの必要性と選び方について、わかりやすくお話ししていきます。
産後の骨盤はどんな状態?
出産後の骨盤は、ホルモンの影響によってゆるみやすくなっています。特に「リラキシン」というホルモンの働きにより、骨盤の関節や靭帯が緩み、赤ちゃんが産道を通りやすくなるよう身体が準備を整えてくれています。
ですが、産後すぐはこの緩んだ状態が続いたままのため、骨盤まわりの安定性が弱くなり、姿勢の崩れや腰の違和感、疲労感の原因につながっていきます。
この時期にしっかりと骨盤周囲をサポートし、回復を助けてあげることが、産後の身体の負担を軽くするうえでとても重要です。
骨盤ベルトの役割とは?
骨盤ベルトは、ゆるんだ骨盤まわりをサポートするための道具です。ベルトによって筋肉のサポートや関節の安定を助けることで、立つ・座る・歩くといった基本動作がスムーズに行いやすくなります。
また、骨盤ベルトの圧によって体幹が支えられることで、腰まわりの筋肉への負担が和らぎやすくなり、体の使い方が整いやすくなっていきます。
ただし、骨盤ベルトだけで全てが整うわけではなく、着けるタイミングや使用方法にもポイントがあります。無理に締めすぎたり、長時間の着用を続けてしまうと、かえって筋力が弱まりやすくなるため注意が必要です。
骨盤ベルトの選び方で押さえておきたいポイント
市販されている骨盤ベルトにはさまざまな種類があり、どれを選べば良いか分からないという声もよく耳にします。選ぶ際のポイントとしては、以下の3つを意識してみると選びやすくなります。
1. 骨盤を正しく支える位置に巻けるかどうか
ベルトは腰骨の上ではなく、「骨盤の一番下の部分(大転子)」を支える位置に巻けるものが理想です。この位置で安定することで、骨盤の開きをやさしくサポートしやすくなります。
2. 締めつけすぎず、フィット感があるもの
きつすぎるベルトは動きにくくなったり、かえって血行が悪くなることもあります。伸縮性があり、体型に合わせて調整しやすいタイプが安心です。
3. 着け外しのしやすさ
育児中は赤ちゃんのお世話で忙しくなりがちです。立ったままでも着脱がしやすい設計や、肌当たりがやさしい素材を選ぶことで、ストレスを感じにくくなります。
着用のタイミングと時間の目安
一般的には、産後すぐからの使用がすすめられることもありますが、出産方法や体調によって個人差が大きく関わってきます。無理をせず、体調が安定してきた頃から徐々に取り入れていくことが大切です。
着用時間は、日中の活動時間に合わせて数時間程度を目安にし、夜間や就寝時は身体をリラックスさせる時間としてベルトを外しておくことをおすすめします。
また、骨盤ベルトの使用と並行して、簡単な骨盤まわりの体操やストレッチを取り入れていくことで、より自然な回復をサポートしやすくなります。
まとめ
産後の身体はとてもデリケートで、見えない部分に不調を抱えやすくなっています。骨盤ベルトはその回復を助ける一つの手段として活用できますが、着けることだけに頼らず、正しい使い方を意識することがとても大切です。
骨盤まわりの違和感やベルトの選び方に迷ったときは、一度専門家のアドバイスを受けてみるのも安心です。
整骨院元菊陽町光の森院では、産後のお身体の状態に合わせたサポート方法をご案内しています。日々の育児を快適に過ごすためにも、身体のことを一緒に見直していきましょう。無理なく続けられるケアを通して、健やかな毎日を取り戻すお手伝いをしています。