柔道整復師が教える腰の柔軟性UP術
「最近、前かがみになると腰がつっぱる感じがしてつらい」「長時間座っていると立ち上がるときに腰が重い」——このような違和感を日常的に感じていませんか?
それは、腰まわりの柔軟性が低下しているサインかもしれません。
腰は上半身と下半身をつなぐ大事なポイントであり、骨盤、股関節、背骨、筋肉など多くの組織が複雑に関わっています。そのため、ひとつの筋肉がこわばるだけでも全体のバランスが乱れてしまいやすく、腰への負担が増してしまいます。
そこで今回は、10年以上にわたり15,000人以上の身体をケアしてきた柔道整復師の視点から、腰まわりの柔軟性を無理なく高めていく方法をご紹介いたします。
腰の柔軟性が落ちる原因とは?
現代の生活スタイルは、長時間のデスクワークやスマートフォンの使用など、同じ姿勢が続きやすい傾向にあります。特に座っている時間が長いと、股関節の動きが悪くなり、骨盤の動きも制限されやすくなります。
さらに、運動不足が続くと筋肉は徐々に縮こまり、柔軟性を失っていきます。腰を支えている腸腰筋(ちょうようきん)や大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)などの筋肉がかたくなると、骨盤が前傾しやすくなり、腰まわりに緊張が高まりやすくなります。
そのような状態が続くことで、身体が無意識にかばうような動きを覚え、慢性的な違和感や重だるさが出やすくなってしまいます。
柔軟性を高めるストレッチのポイント
腰そのものを直接動かすというよりも、関連する部位をほぐすことが重要です。腰に負担をかけず、周囲の筋肉をほぐすことで、結果的に腰が動きやすくなっていきます。
以下にご紹介するストレッチは、寝る前や朝の軽い運動としてもおすすめです。無理に伸ばそうとせず、呼吸を意識しながら、ゆっくり行うことが大切です。
【1】ひざ倒しストレッチ(骨盤・背骨まわりをゆるめる)
仰向けに寝て、両ひざを立てて揃えます。
両手は広げて、手のひらを床に軽くつけます。
息を吐きながら、ひざを左右交互に倒していきます。
呼吸に合わせて、ゆっくり10回ほど繰り返します。
この動きは、腰だけでなく背骨まわりの緊張をやわらげる効果が期待できます。
【2】もも裏ストレッチ(ハムストリングスの柔軟性向上)
仰向けに寝て、片方の足をゆっくり持ち上げます。
両手で太ももの裏を支え、膝を軽く伸ばしながら足先を天井へ向けます。
息を吐きながら、太ももの裏がじわっと伸びるのを感じて30秒キープします。
反対側も同様に行います。
もも裏の柔軟性が高まることで、骨盤が安定し、腰への負担を軽減しやすくなります。
【3】腸腰筋ストレッチ(腰の前側をゆるめる)
片ひざ立ちの姿勢をとります(前に出す足は90度に曲げる)。
後ろの足のつま先を立て、背筋を伸ばします。
前足に体重をゆっくり移動させ、腰の前側が伸びている感覚を意識します。
30秒キープしたら、反対側も同様に行います。
このストレッチは、立ち姿勢や歩行時のバランス改善にも役立ちます。
ストレッチは“毎日少しずつ”がコツ
身体のかたさは一日でやわらぐものではありません。大切なのは、日々少しずつ積み重ねていくことです。朝起きたときや、夜寝る前の5分間でも構いません。毎日の習慣にすることで、身体は少しずつ変化を見せてくれます。
また、ストレッチを始めてみても、「これで合っているのか分からない」「かえって違和感が出てきた」という場合には、無理をせず専門家に確認することもおすすめです。
整骨院元菊陽町光の森院では、ひとりひとりの身体の動き方や筋肉の状態に合わせたアドバイスを大切にしています。ご自身では気づきにくいクセや姿勢の乱れも、しっかりと確認したうえで、安心して続けられるケアのご提案を行っています。
おわりに
腰の柔軟性を高めることは、日々の身体の軽さや姿勢の安定にもつながっていきます。決して難しい運動をしなくても、やさしいストレッチを継続していくだけで、腰まわりの筋肉は確実に応えてくれます。
腰の違和感が気になる方は、ぜひ今日から一つでもストレッチを取り入れてみてください。整骨院元菊陽町光の森院では、身体に無理のない方法で柔軟性を高めるお手伝いをしています。あなたの毎日がもっと快適になるよう、一緒にサポートさせていただきます。