産後に痔になってしまった!?どうやって治していけば良いか柔道整復師の観点から解説
出産後に「座ると違和感がある」「トイレの時間がつらい」と感じることはありませんか? それは、産後の痔の症状かもしれません。出産を経験された方の中には、妊娠中から出産後にかけて痔の症状を感じる方が少なくありません。そこで今回は、柔道整復師の視点から、産後の痔の原因や改善のためにできることについてお伝えします。
産後に痔ができる原因とは?
痔は主に「いぼ痔」「切れ痔」「痔ろう」の3種類に分けられますが、産後の方に多いのは「いぼ痔」と「切れ痔」です。これらは、妊娠・出産時の体の変化が大きく影響しています。
1. 妊娠中の負担が影響
妊娠中はホルモンバランスの変化や子宮の成長によって、骨盤内の血流が悪くなりやすくなります。そのため、肛門周辺の血管が圧迫され、うっ血しやすくなることが痔の原因の一つです。
2. 出産時のいきみ
分娩時のいきみは、強い腹圧がかかるため、肛門周辺の血管に大きな負担をかけます。その結果、いぼ痔ができやすくなったり、肛門の粘膜が傷ついて切れ痔の症状が出たりしやすくなります。
3. 産後の便秘
産後はホルモンバランスの変化や、授乳による水分不足などが影響し、便秘になりやすい傾向があります。硬い便を排出しようとすると、肛門に強い圧がかかるため、痔の悪化につながりやすくなります。
産後の痔を改善するためにできること
産後の痔の改善には、日常生活での工夫が大切です。以下のポイントを意識してみてください。
1. 骨盤のケアを行う
産後は骨盤がゆるんでいるため、骨盤を安定させることが痔の予防・改善につながります。骨盤が不安定だと、肛門周辺の筋肉にも負担がかかりやすくなります。
骨盤ベルトを活用し、適度なサポートをする
無理のない範囲で骨盤を整えるストレッチを取り入れる
正しい姿勢を意識し、骨盤が後ろに傾かないようにする
2. 便秘対策を行う
便が硬くなると、肛門に負担をかけてしまいます。食事や水分補給を工夫し、スムーズな排便を促しましょう。
食物繊維を意識的に摂る野菜や果物、海藻類を積極的に取り入れ、腸内環境を整えましょう。
水分をしっかりとる授乳中は水分不足になりやすいので、こまめに水を飲むことが大切です。
適度に動く軽いストレッチや深呼吸を取り入れ、腸の動きを活発にしましょう。
3. 肛門周りを清潔に保つ
痔の悪化を防ぐためには、肛門周りの清潔を保つことが重要です。トイレットペーパーで強くこすらず、ウォシュレットを使うのも一つの方法です。また、お風呂でしっかり温めることで血流がよくなり、症状の改善を助けることができます。
4. 長時間同じ姿勢を避ける
座りっぱなしの姿勢は、肛門周りの血流を悪くしやすくなります。授乳や家事で座る時間が長くなる場合は、こまめに立ち上がったり、クッションを活用するなどの工夫をするとよいでしょう。
産後の痔で悩んだら
産後の体はデリケートな状態のため、無理をせず、できる範囲でケアを行うことが大切です。整骨院元菊陽町光の森院では、産後の骨盤ケアを含めた体のケアをサポートしています。痔の原因となる骨盤のゆがみや姿勢の問題についてもアドバイスを行っていますので、お悩みの方はぜひ一度ご相談ください。